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2015年8月

2015年8月12日 (水)

手織りを仕事に 3

豊かさとは本来お金の多寡ではない。しかし現代社会においてお金はある程度必要である。 ましてや手織りを仕事にするということは 作品をお金に換えるということである。 

 手織りという仕事をしている方は 本質 豊かである。素材に向かい、染色に携わり、一本一本織り上げて布にする手仕事ほど 豊かな生活はない。
 基本 才能も意欲も努力もない方は豊かになれない。しかし手織りを仕事にしている人は 才能も、能力も有り余るほど豊かである。その豊かさの一部をお金に換え、生活の安定に変える手助けができると思う
 実際、私が大井川葛布を起こしたとき、何も無かった。しかし全てが有った。
内包されていた。それを 少しずつ絡まった糸をほぐすように現象かしていった。その経験を踏まえて 語っていきたい。

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手織りを仕事に 2

 手織りで充分生活ができ、制作に邁進している方については 私がとやかく言うことはない。私が心に留めているのはこれから染織を仕事にしようとする方、現在手織りの仕事をしているのだが、十分な収入がなく、生活に困っている方なのだ。

 手織りという尊い仕事をしている方が「貧乏」であってはならない。むしろ生活を含めて「豊か」であるべきであり、「豊か」であるはずである。
 顧みるにせっかく熟練した技量を持ち、素敵な作品を作ってる多くの方が、生活の為によそでバイトをしたり、バイトにかまけて作品が作れなかったり、仕舞には
手織りを仕事としてできなくなったり・・・・・ 多くの残念な事例がある。
しかし、彼らには素晴らしい技量と才能がありセンスがある。このまま朽ち果てさせるには惜しいし 私を含めた手織り染織業界の損失でもある。
 先日の葛布ワークショップで ある作家から相談を受けた事で 今まで考えてきたこと 私がやってきたことで 参考になることがあるならと思い いろいろ書き出していきたいと思っているDsc_2478

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手織を仕事に

「手織が生計を立てる仕事になり得るだろうか?」

染織をめざして勉強している若者たちが抱える疑問の第一であろう。
 最近は染織が生活の一部として、染織品も売り、農業をやり、バイトもやり、生活していこうとする若者も出てきている。染織が生活の一部として行くことに 新しい潮流を見ることができる。
 結婚をして 生計の主要部分を夫に(または妻)に任せて、染織をしている方もいる。その中には 伝統工芸展など ハイレベルな展示会に入賞するような方もいる。生活に追われて 特別な作品を作る時間のないプロより 生活の不安無く、コンペ用の制作に充分時間を掛けて入賞、受賞する方が最近は増えてきているようだ。
 止まれ、いろいろな染織作品のあり方があるだろうが、その方たちは「生活」できているので、私ごとが四の五の言うことはない。

 私が気にとめているのは「プロとして染織で生活をしていこう」としている若者である。染織の学校に通い、工房で修行を積み、染織で自立しようとしているが、躊躇している人、すでに作家として自立しているが、なかなか作品が売れなくて、バイトや派遣社員になって生計の足しにしている人。
手仕事を手織を仕事にしている方にエールを送りたくて 老婆心ながらこのコラムを綴ってゆこうと思う

http://www.kuzufu.com/cn64/pg459.html

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